会田誠
HOME/SPECIAL/A STORY OF UNITE/1

他者との繋がりが、作品に影響を与える。

SPECIAL: A STORY OF UNITE 1 2018/07/11

会田誠(あいだまこと)

美術家
1965年、新潟県生まれ。1989年東京芸術大学油画専攻卒業、1991年東京芸術大学大学院修了。国内外から高い評価を獲得する、日本を代表する現代美術家。絵画のみならず写真や立体造形、パフォーマンス、インスタレーション、小説、漫画、都市計画を手掛けるなど、表現領域は多岐にわたる。
会田誠
Chim↑Pomとの繋がりはソフィスティケートされていない作品から
CONNECTED WITH...

Chim↑Pom

アーティスト集団
卯城竜太、林靖高、エリイ、岡田将孝、稲岡求、水野俊紀が、2005年に東京で結成したアーティスト集団。時代のリアルを追究し、現代社会に全力で介入したメッセージの強い作品を次々と発表。世界中の展覧会に参加するだけでなく、自らもさまざまなプロジェクトを展開する。2015年アーティストランスペース「Garter」を東京にオープンし、同時代のさまざまな表現者たちの展覧会もキュレーションしている。
Chim↑Pom
Photo: Leslie Kee​

Chim↑Pomとの繋がりはソフィスティケートされていない作品から

「繋がり」がテーマということですが、人との繋がりという意味でいえば僕にとってはChim↑Pomや山口晃くんのことかなと思います。僕はキャパシティの広い作家というわけではなく創りたいものはある程度狭く閉じていて、自分ではできないけど、こういうのはいいなあというものもあるのですが、そのうちの一つの極が僕にとってはChim↑Pomであったり山口くんであって、その二人を並べれば僕はその真ん中にいるわけです。

ただある意味、Chim↑Pomや山口くんとの出会いは僕にとってマイナスと言ってもいいと思います(笑)。僕は大学の4年間は油絵科でしたが、絵画というものは当時、立派な人間のやるものというイメージがあったので、必ずしも自分に向いているとは思いませんでした。自分が立派な人間ではないという意識が最初からありましたが、立派をやろうとする人が少ないから一時期やっていたのです。

そういう中で『自殺未遂マシーン』など、絵画とはかけ離れたところに位置する作品製作を通じ、僕自身の立派じゃない面もちらちらと出していたわけですよね。おそらくChim↑Pomは、僕の丁寧に描かれた絵画に反応して僕のところにきたわけでもなく、僕のダメダメな人間ぷりがわりと直接的に出ているタイプの作品の方に惹かれて繋がってきたと思うんです。ソフィスティケート(洗練)されていない作品に対して共感してくれたというか。
READ MORE
自分の作品のほとんどが他者との繋がりや影響によるもの

自分の作品のほとんどが他者との繋がりや影響によるもの

逆にChim↑Pomは、僕よりもずっとソフィスティケートされていないです。そういう作品が好きなやつらですから。彼らと並べると僕はソフィスティケートというか、お上品だなという感じになるわけですよ(笑)。そうすると、このジャンルはもう彼らに任せておけばいいやっていう考えになって、自然と僕がやるべき仕事が減るわけなんですね。

そういう意味で僕にとってはマイナス(笑)。ただそんな中でも以前森美術館で個展をした時につくった混沌部屋と呼んでいる空間は、Chim↑Pomに限らず、多くの若い人たちとも繋がったことでできた代表的な例だと思います。あともう一つが2年間、歌舞伎町で運営していた芸術公民館というスペースも、僕のアーティスト活動の中では他者との繋がりがあっての作品だと思っています。

ちなみに僕自身の作品は9割くらいは、あまり出会わないような2つ以上の文化を、自分を媒介にくっつけるというタイプの作品ですが、それはまあ仕方がないことだと思います。僕は戦後の日本で生まれ育って日本の大衆文化に染められ、けれど大学では西洋美術を中心とする価値を押し付けられるので、自ずと分裂的になりました。

幼少期に得たサブカル的なものを忘れて、日展の会員とかになって油絵でも描いていれば安定した人生を送れたのでしょうけど、実際はモネの良さもわかるけど漫画やエロ本の魅力も知ってしまっているわけですからね。これまで色々な経験をしている分、他者との繋がりによる作品の影響は何かしら受けていると思います。
READ MORE
繋がることで機能性が高まるバッグは発想がユニーク

繋がることで機能性が高まるバッグは発想がユニーク

総合的にいうと他者と繋がることは他者から素晴らしいものを盗むことで、自分の視野なり感性をさらに広がるっていうことがよくあるストーリーですけど、僕にとってはむしろ逆ですよね。

優れた他者と出会うとますますそのジャンルはその人に任せるといいますか、“餅は餅屋”という気分になって“自分濃度”を濃くしていくことしか存在感価値が無いといいますか(笑)。これも一理だと思うのです。

足して二で割ってみたいな妥協中庸みたいなことは濃度の低下ですし、例えばヘレニズム文化とか、文化と文化が出会って良い部分をミックスして魅力的な文化が生まれるということはあるんでしょうけど、逆にいえばせっかくあった魅力的な部分が凡庸化して、新たに生まれたものと同数で、滅んだものもあるわけです。

ただこれは芸術や芸術家に限った話ですから。今回使わせていただいたバッグはちがうと思います(会田さんには取材前の数日間、実際に使っていただきました)。目的をもって使用するわけですから、まず優れた機能性を備えていないと。その点〈UNCAR COMPOUNDED〉のバッグはいいですね。

シンプルでモダンな外見とは対照的に、内部は細かな収納を多数備えているので持ち運びに便利ですし、あと別のパーツを繋げることでさらに機能性が高まるという発想もおもしろい。物を選ぶ際は、とにかく機能性重視で選んでいる僕にとっては最高のバッグだと思いますよ。
READ MORE

仕事やライフスタイルに欠かせないモノ

product
バッグと同様、仕事道具も機能性重視ですね。普段からリュックタイプのバッグを愛用しています。iPad miniを持ち歩いて、ここ最近は長いこと取り組んでいる長編小説の執筆をしています。この中で異彩を放っているのは靴ですかね。工事現場などで履く作業靴はトレーニングジムで愛用しているのですが、持ち運ぶ際にかさばらないことと、あと洗濯をしてもすぐに乾くのがすごく便利なのです。ちなみにくつ下も、左右を選ばずに瞬時に履ける丈夫な軍足を愛用しています。 BACKPACKS TOTE BAGS
Photo: Yuco Nakamura
Interview: Kei Osawa

OTHER EPISODES