谷尻誠
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他者との繋がりで生まれる刺激と違和感が、谷尻作品を構築。

SPECIAL: A STORY OF UNITE 3 2018/08/22

谷尻誠(たにじりまこと)

建築家
1974年、広島県生まれ。1994年に穴吹デザイン専門学校を卒業後は本兼建築設計事務所、HAL建築工房に籍を置き、その後独立。2000年に建築設計事務所「SUPPOSE DESIGN OFFICE」を設立。2014年より吉田愛と共同主宰。建築家として活動をするかたわら、現在は穴吹デザイン専門学校特任講師、 広島女学院大学 客員教授、大阪芸術大学准教授なども兼任している。
谷尻誠
繋がりの基本は、会いたいと思った瞬間に即行動
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谷尻直子(たにじりなおこ)

フードプランナー・料理家
週末のみ営業する完全予約制レストラン「HITOTEMA」主宰。雑誌やWEBを中心に、さまざまなメディアでレシピの提案している。またハイセンスなライフスタイルも注目され、多くのフォロワーをもつ。
谷尻直子

繋がりの基本は、会いたいと思った瞬間に即行動

僕は日々、さまざまな人と会う(繋がる)ことで刺激や影響を受けているので、ある特定の人と繋がったことで人生が変わったということはないですね(笑)。そして、会いたいと思えばすぐに自分からコンタクトをとって会いに行ってしまいます。

例えば最近だと『僕たちはファッションの力で世界を変える ザ・イノウエ・ブラザーズという生き方』という本に感銘を受けたので、著者の一人である石井俊昭さんにメールを送ってすぐにお会いました(井上兄弟のお二人とはすでにお友達なのだそう)。

昔からこういう考えだったわけではなく、年齢を重ねるにつれて徐々に色濃くなっていて、“出会いに照れるな”というルールを自分自身に課して積極的にオファーをしています。もちろん、全ての出会いが自分の心にストレートに響くものではなく、中には自分としては相容れない意見や考え方ではあるけど、でもそれも一理あるなという、想像していなかった考えや理論を聞くことも多々あります。

そういう場合はそのときの違和感を大事にするようにしています。旅に出ると予期せぬトラブルに巻き込まれることもあるじゃないですか。でもそれはのちのち思い出になりますよね。そういう意味で、僕が誰かに会いに行くということは旅なのだと思っています。
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繋がりで大事なのは良質な腹黒さと嫉妬

繋がりで大事なのは良質な腹黒さと嫉妬

そんな“心の旅”をしていて良い違和感を感じたり、刺激になった人は本当にたくさんいます。サカナクションの山口一郎さんや作家の川村元気さんとか。あと片山正通さんからも影響を受けていますね。

片山さんはやはり同業でちょっと上の世代で、この業界をどうやってかけあがったのかなど参考になります。もちろんそのままマネしようとは思わないですが、どんな方法があるのかが垣間みれれば、自分にふさわしいやり方がわかりますから。

あと僕が会って刺激を受ける人に共通しているのが腹黒い人(笑)。僕は腹黒い人が好きなのです。あ、誤解してほしくないのですが、この腹黒いっていう言葉は僕にとっては良い意味なのです。だって腹黒いって、要は企画力があるということじゃないですか。逆に腹黒くない人というのはある種、物事を考えてない証拠ですから。

腹黒さが利己的なベクトルで働いていると単なるイヤな人ですけど、利他的であればすごく才能になるわけですよね。そういう意味では、僕の回りには腹黒い友達が多いと思います。そういう人たちにたくさん会って、多いに嫉妬をして、深く考えます。その経験を何度も繰り返すことで、自分自身の価値観も変わり続け、新たな考え方がまた生まれてくるのです。そのおかげでシンプルに物事をとらえるようになりましたね。
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“翻訳”から生まれる優れた機能性が魅力

“翻訳”から生まれる優れた機能性が魅力

先ほどは出会った人すべてから影響を受けており、そのすべてのエッセンスが作品に投影されていると話ましたが、その好例が今回の取材場所である『社食堂』だと思います。ここでは料理家である妻から刺激を受けました。

人間の体の細胞となる原料は、食料だということを知ったんですよね。建築家である以上、自分の体は自分でデザインしなきゃ、そして僕らは細胞をデザインする会社を作るべきだと思いここを作りました。その考え方ってすごく本質的じゃないですか。社員の健康をサポートしながら来てくださるお客様の健康も、自然とサポートできるような食の場を提供できればいいなと思います。

〈UNCAR COMPOUNDED〉さんは、車のデザインから着想を得た機能的なバッグを提案されていますが、僕も同じことをよくします。僕はこの作業を翻訳と呼んでいるのですが、あらゆる翻訳能力が高くなると、異ジャンルのものでもデザインに置き換えられるようになるので、建築家には大事な素養です。

今回使わせていただいたバックパックもサコッシュも、軽量なのに頑丈、なおかつ収納も豊富で使い勝手も抜群です。あえて注文をつけさせていただくなら、バックパックはもうひと回りスケールが大きくても良いかもしれません。もう少し大きなバッグなら、ファッションとのバランスがよりマッチすると思います。

3年前に子供が生まれたのを機に、トートバッグよりもバックパックをよく使うようになりました。子供と一緒にいる時は両手が空いていると便利なんですよね。あとは背負ったままノートPCが取り出せるような、大きめのサイドジップがあるとさらにいいですね。あ、あくまでこれは私見ですよ(笑)。
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仕事やライフスタイルに欠かせないモノ

product
仕事道具はシンプルで機能的なものが好きです。デジカメは〈Leica M Type240〉で、おもに建築物や風景、あとは子供の写真などを撮ったりしています。3冊ある〈モレスキン〉の手帳は、1つは仕事の打ち合わせ用、残りの2冊は現在勉強中の英語のレッスン用です。近々2週間ほど海外留学をする予定です。また最近日差しが強いので〈モスコット〉のサングラスは欠かせません。 BACKPACKS
Photo: Yuco Nakamura
Interview: Kei Osawa
Edit: K-suke Matsuda

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