小谷実由
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心の武装のほどき方を教わった。次は私が伝える番だ。

SPECIAL: A STORY OF UNITE 5 2018/12/23

小谷実由(おたにみゆ)

モデル
1991年生まれ。東京都出身。『GINZA』『&Premium』『装苑』などのファッション誌や、カタログ・広告・MVなどでモデルとして活躍。また、さまざまな作家やクリエイターたちとの企画にも取り組む。純喫茶をこよなく愛す。愛称はおみゆ。
小谷実由
「なぜか気になる」。康一郎さんと私の芯が重なった言葉
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山本康一郎(やまもとこういちろう)

スタイリスト
1961年京都生まれ東京育ち。学生時代からマガジンハウス『POPEYE』に編集・ライターとして参加。1985年にメンズスタイリストとして活動を開始。広告、ファッション誌、アーティスト・タレントなどを中心に、メンズスタイリストの草分け的な存在として数多くの作品を残す。近年には、大手セレクトショップやブランドの統括的なディレクションを担い、コンサルティングとは異なるアプローチで企業のスタイリングを手がけ、さらなる評価を受けている。また、2016年、2018年には、クリエイティブディレクターとしてADC賞を受賞。
山本康一郎

「なぜか気になる」。康一郎さんと私の芯が重なった言葉

繋がってから自分の人生が変わったと感じたのは、スタイリストの山本康一郎さん。出会いは、『POPEYE』(マガジンハウス)で康一郎さんが連載されていた企画に呼んで頂いたことでした。失礼な話ですが、康一郎さんのことはその時に初めて詳しく知ったんです。普段であれば必ず事前に相手のことを調べてから対談に臨むのですが、その時は、「大御所の方なので緊張するかも……」と思い、あえて調べず現場に行きました。

当日、私を選んでくださったことに戸惑っている私に、康一郎さんは「理由はわからないけど、気になるんだ」と言ってくださいました。私にとっては、その言葉がすごく嬉しかったんです。的確に褒めていただくのも嬉しいですが、「本当に良い!」と思った時こそ言葉にできないことって多いじゃないですか? 好きなものに無理に理由をつけようとすると、好きという気持ちの純度が低くなってしまうような気がするんですよね。だからこそ、康一郎さんの言葉が突き刺さり、素直に受け止められたのだと思います。

康一郎さんは以前から私のインスタグラム(@omiyuno)を見てくださっていて、私の趣味や好きなものを康一郎さんも若い時に好きであったり、重なる部分が沢山あったそうです。でも、お話をしていくうちに、ひとつのものでもまったく違う観点で見ているということが分かり、よりお互いに興味を持つようになっていきました。それ以来、プライベートでも仲良くしてくださるのですが、親くらい年が離れている方であるにも関わらず、私だけではなく誰に対してもフラットに接して好奇心を共有してくれるんです。そんな康一郎さんの姿を見て、なんだか拍子抜けしてしまったんですよね。「あれ? 無理に自分を飾らなくてもいいんだ」って。
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私は私。鎧を脱いで、パジャマになった

私は私。鎧を脱いで、パジャマになった

じつは、以前の私はすごく閉鎖的だったんです。仕事でも、次々に出てくる若い子たちの活躍に嫉妬し、素直に認めることができませんでした。14歳でこの世界に入ったので、2〜30人で同じレッスンを受けたり、仲間たちとオーディションを受けることが多かったんですよ。でも、表面上は仲良くしていても、結局決まるのは1人だけという“蹴落とし合いの世界”。そういう世界で多感な時期を過ごしたことで、競い合ってしまう気持ちがどうしても拭えなかったんですよね。

だから、インスタを見て「この子は素敵だなぁ」とか、「おもしろいことをやっているなぁ」と思ってはいても、負けたくない気持ちが強く邪魔をしてフォローをできなかったんです。でも、そんな気持ちにずっと葛藤があったんですよね。他人を認められなかった理由は、自分に自信がなかったからなんだと、今では思います。仕事は悔いのないようにやってきていますが、表現には点数をつけることができないので、いつもどんな仕事の後でも不安になっていました。だからこそ、自分よりもたくさんの大きな仕事を手がけてこられた康一郎さんに、“まるごとの私”を褒めて頂けたことが自信になったんです。私は私、そう思えるようになってからは本当に気持ちが楽になりましたね。

どんな方の前でも変わらない康一郎さんを見ていると、「年齢って関係ないんだな」と、自分の固執していたものがどんどんとほどけていくんです。それまでは上の世代ばかりを見てきたのですが、自分が成長すれば下の世代の子たちが出てくるのは当然のこと。ある時、思い切って気になる年下の子たちをインスタグラムでフォローしてみたら、「嬉しいです」とメッセージが届きました。「私のことを知ってくれてたんだ!」と、こそばゆい感じがしましたね。ずっと気にしていた年齢コンプレックスがバカらしくなり、自分はなんで斜に構えていたんだろうと思った瞬間でした。それからは、少しずつですが年下の友だちも増えて、自分で何かを作る時にも、「年下だけど、あの子に頼んでみよう」と、思えるようにもなりました。そんな繋がりは、康一郎さんとの出会いのおかげですね。あんなに武装していたのに、今ではいつも心がパジャマでいるような感じです。
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自分のワガママに正直でいられるバッグが良い

自分のワガママに正直でいられるバッグが良い

まだ、ご本人には恐れ多くて言えていないのですが、いつか康一郎さんの手がけるブランド「スタイリスト私物」とコラボさせていただくのが夢なんです。康一郎さんのブランドは、生地や形にも繊細にこだわっていて、自分が本当の良いと思うものを商品にされているところが素敵だと思います。

じつは私も、今まで何度かブランドさんとコラボして、着たい服に、好きなものや思い出を落とし込んで作らせていただいたことがあるんです。だからこそ、一緒に「こうしたらおもしろくない?」なんて話し合いながら作ってみたいですね。「世間がどう思うかよりも、私たちが良いと思ったなら良くないですか?」という話になりそうですが(笑)。

やっぱり、自分のワガママには正直でいたいですよね。私はとても心配性なので、いつも荷物が多くなってしまうんです。使わないのにリップクリームを3本持って出かけたり、その時々の気分に合わせたいので本を何冊も持ち歩いたり……。普段は、パソコンや衣類など大きい荷物がある時はバックパック、荷物が少ない時はトートバックと使い分けているのですが、トートバッグの場合、中が小宇宙のごとくごちゃごちゃになってしまいますし、バックパックだと、ファッションに合うものがなかなか見つからなかったんですよね。

だからこそ、〈UNCAR COMPOUNDED〉のバックパックはとても良いなと思いました。ファッションに合わせやすいスリムなバックパックとなると、あまり荷物が入らなかったりすることが多いんです。このバックパックはサイズ感も良いですし、中にも小分け用のポケットがたくさん付いていて、荷物を細かく分けて収納することができます。シリーズの他のバッグと組み合わせて雰囲気を変えられるというのもユニークで、使っていて飽きないのも魅力です。私のワガママをどれも諦めなくていい、かわいいリュックですね。
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仕事やライフスタイルに欠かせないモノ

product
シルバーのポーチには、ペンやコスメなどの小物類をまとめて入れています。ライカのフィルムカメラでは、日常的にお花や猫、壁の模様などを撮っています。めまぐるしい生活であるほど、写真を見てその時に何をしていたのかを思い出すのが好きなんです。よくおばあちゃんやおじいちゃん、家族の写真なんかも撮りますよ。小さなメッシュのポケットが便利で、替えのフィルムを入れておくのにぴったりなサイズなんです。文庫本がちょうど2冊入る大きさのポケットがあるのも嬉しいです。 BACKPACKS
Photo: Yuco Nakamura
Interview: Tomoko Yabuta
Edit: K-suke Matsuda

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