夏目知幸(なつめともゆき)
「シャムキャッツ」ヴォーカル&ギター
1985年千葉県生まれ。ロックバンド「シャムキャッツ」のメンバーで、ヴォーカル&ギターを担当。2009年にリリースした2ndフルアルバム『たからじま』の収録曲である“SUNNY”が、テレビ東京系『モヤモヤさまぁ~ず2』のエンディング曲に起用される。2017年にはアジア8都市で公演を行うなど、今最も注目を集めるロックバンド。
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サヌキナオヤ
イラストレーター
1983年京都市生まれ。チャールズ・ブコウスキー、坂口恭平、滝口悠生などの小説の装画や、シャムキャッツ、Homecomingsのアートワーク、雑誌POPEYE、GINZAなどでイラストを手がけるほか、ユニット”WHOPPERS”ではアニメーターとしても活動。現在Homecomings福富優樹原作での漫画「CONFUSED!」を月刊コミックビームにて連載中。
最も大事な繋がりの一つはメンバーとの仲
僕が人と繋がりたいって思う理由の一つは、人と繋がらずに自分だけの判断や感性だけで生きていると、自分の想像を越えてこないっていう気がするから。人と繋がれば、自分とはちがった別の意見に触れられて、またそれを取り入れたときに自分自身が驚いたり、感動をしたりする可能性が高いわけですよね。自分の意見が何でも通るよりは、ちょっと意見をされて変わる瞬間の方が楽しいっていうか。だから、そういう感覚をくれそうな人がいると気になりますし、わりと自分から積極的に繋がろうとするタイプです。人によって距離が縮まるまでの時間の差はありますけど、今まで長く繋がっている人はだいたい居心地のいい人ですね。
最近、バンド活動以外にも色々とやらせていただくことが多くて、自分の仕事はいったい何だろうって思うことはありますが、本業とかは決めなくてもいいのかなって思っています。それこそ今後、新たな繋がりができて興味のあることができたら心ゆくまでやってみるというスタンスですね。でもとんねるずの石橋貴明さんが、おぎやはぎさんのラジオ『メガネびいき』に出たときに、「最初に世の中にどうやって出ようとしたかっていうことはすごく大事。コンビで世の中に出ようと思ったやつは、何でコンビで出ようと思ったんだろうっていちいち立ち返るべき」みたいな話をしていたのがけっこう好きで。
僕の場合は4人組のバンドで世の中に出ようって思っていたから、やっぱりその感性は一番大事なのかなって思います。自分はかなり自由ですけど、世に出て生きていこうって思ったとき、自分にとっての最小単位は4人だったんだなって思っているから、僕にとって4人の繋がりはすごく重要なのです。そこで創作しようと思っていることが一番大事になってくるなって思います。
READ MORE サヌキくんは裏のプロデューサー
仕事で繋がってよかったと思えるのは、イラストレーターのサヌキナオヤさん。今ではアルバムのジャケットを描いてもらったりしています。ネットでサヌキくんの作品を見てファンになって、自分からメールをしたのがきっかけです。バンドのTシャツを作ってほしくて連絡をしたら、サヌキくんから「僕のことをどこで知りましたか? もしかして小田島さん(イラストレーターの小田島等さん)の紹介ですか?」って返事がきて。サヌキくんは小田島さんの弟子ではないけど、昔ちょっとお手伝いをしていた時期があってよくしてもらっていたみたいで、僕も小田島さんのファンで一時期は絵も書いていて共通点も見つかってすぐに仲良くなりました。
それからというもの、僕にとってサヌキくんは、裏のプロデューサー的な存在になっています。作品が仕上ったら必ず一度サヌキくんに見せるようにしています。自分で満足しているものを「これどう思う?」って聞いて、サヌキくんがOKだったら僕も即GOサインを出すっていう(笑)。お互いに好きなものが似ているとは思うのですが、サヌキくんの方が先見の明があるというか、わかっているんですよね。
以前、自分の中ではあまり納得のいかない、僕の中では80点くらいの作品を見せたときサヌキくんから「120点!」って言われたことがあって。ちょっと迷いつつもサヌキくんがそう言うならということでそれに決めたのですが、時間が経ったときに初めてその作品の魅力がわかりましたから。もちろん逆に、サヌキくんの作品に対して、もっとこうしたらいいのにってアドバイスをすることがありますよ。そういうときは「たしかに!導くね~」って(笑)。なので、僕が彼から刺激をもらっているように、僕も彼に何かを与えているのかもしれないですね」
READ MORE ラフに扱える丈夫なバッグが好き
僕は普段、バッグはリュックかトートを使っています。自転車のときはリュックで電車のときはトート。とはいえ一番いいのは手ぶらです。なるべくシンプルでいたいんですよね(笑)。あと機能的に不可欠なのが作りが丈夫であること。バンドをやっていると移動が多くてどうしても雑に使ってしまうことが多いんです。荷物は決して少なくないと思いますが、特にツアーに出るときは多いですね。
意外と空き時間が多い仕事で、現場に着いて音響さんがセッティングをしている時間、僕らは待たなければいけないですし、リハーサルが終わったらまた待たなきゃいけなかったりとか。その時間が潰せるように本を数冊とかNintendo Switchを持っていったりするので、変にかさんでいくんです。あとは金髪にしてからは髪が傷みやすくなったので、ちょっと高価なシャンプーを持っていくとかですね(笑)。
〈UNCAR COMPOUNDED〉さんのバッグは、車のデザインから着想を得た機能的なバッグを提案されていますよね。バックパックの開け口はオープンカーをモチーフにデザインされて、ポーチも内側につけられる。繋がることで機能が拡大するっていう発想がおもしろいですね。今回撮影をさせてもらったサコッシュは、絶対毎日ぶらさげていると思います(笑)。できれば手ぶらでいたいって思うくらいシンプルにすごしたいですし、これなら待ち時間や移動のときにも重宝しそうですから。
あとこのきれいなピンク色が好きですね。髪もピンクだから超ピンク好きな人って思われるかもしれないですが、実際はそうでもないですよ。ただ、自分の人生を振り返ってみるとピンクが多かったなって思うので、自分でもよくわからないですが、なんとなくずっと好きなのだと思います(笑)。
READ MORE 仕事やライフスタイルに欠かせないモノ
風邪など、喉に影響のある病気を未然に防ぐ際は、体に優しい「葛根湯」で。またメモ帳は曲作りなどの際、思いついたことをすぐにメモるために携帯しているそう。手ぬぐいは大きさが調度よくて重宝しているとか。ハンカチだと小さいしタオルだとかさばるので、地方のお土産屋さんなどで購入している。時間潰しに書かせない任天堂スイッチとタブレット。現在スイッチでは『ブリキの騎士』、ネットフリックスでは映画『スタートレック』にハマっているのだとか。
SACOCHE BAGS Photo: Yuco Nakamura
Interview: Kei Osawa
Edit: K-suke Matsuda